「外貨建て金融商品」ってどうなの?

外貨預金
外貨建て金融商品の中で代表的なものに、銀行で扱われている外貨預金があります。外貨預金はその名の通り、外貨建てで預ける預金で、通常普通預金と定期預金の2本建てで扱われ、満期は1、3、6ヶ月物、1年物の4タイプを取り揃えています。
外貨建て商品は、何と言っても高い金利が魅力ですが、コストを考慮した実際の商品力、使い勝手はどうなんでしょう。これらの商品は基本的には日本国内で円に転じて利用することを目的に設計されており、ドルでの引き出しや決済には制約があります。(海外では円でもドルでも原則引き出せない)

今年3月末時点の個人の外貨預金残高は都市銀行9行の合計で1兆6000億円を突破し、前年同期実績のおよそ2.2倍となりました。これは、郵便局のニュー定期の金利は年0.15%(1年)に対し、ドル定期預金(同)を扱う都市銀行が提示する金利は年5%以上であり、今後円安に振れた場合の為替差益への期待も人気の一因になっています。

利用するにあたってのコストは(図1)にあるとおり、まず預入時に円をドルに換えるとき1ドルにつき1円の手数料を取られます。引き出し時にドルを円に換えるときも手数料は1ドルにつき1円の手数料を取られ、往復で2円かかります。
また、ドルで引き出す場合には円に換えない分手数料がかからないどころか別途、1ドルにつき2円の手数料が必要で、円に戻して受け取る場合より負担は大きくなります。この場合海外旅行などで使うならTC(トラベラーズチェック)を作る方法もあります。(一般的には発行額の1%の手数料)

(図1)


現在、海外で日本国内の外貨預金を利用するには、
・海外に口座を開く必要がある
・日本からの振込みに送金手数料がかかる
などの難しい点がありますが、最近では「運用した外貨預金を円預金のように自由に使いたい」という要望に応え、ドル決済専用のクレジットカードが登場しています。これだと、ドル定期預金の満期金などを決済に使うドル普通預金口座に手数料なしで移せ、預入時に円をドルに換える手数料だけで運用した資金をインターネットでの買い物や海外での食事、ホテル宿泊代などの代金決済に使えます。


ドル決済専用のクレジットカード
三和JCB USドルカード
シティバンク ドルカード
 などがあります。

また、最近ではドル建て商品の手数料を下げる動きが徐々に広がっています。
住友銀行・富士銀行
・米ドル建て外貨預金
外貨預金から手数料なしでドル(現金)が引き出せる。海外出張が多い人には便利。
※住友は残高1万ドル以上が条件
三和銀行
・三和JCB USドルカード
ドル決済専用カード。年会費は50ドル(2000年末までは半額)
シティバンク
・マルチマネー口座
TC(トラベラーズチェック)発行手数料が無料。24時間の電話対応が充実。残高100万円以上で海外送金手数料が無料など、出し入れが多い人は便利。
東洋信託銀行・
三菱信託銀行など
ドル建て定期預金を作る際、円からドルに換える際の手数料が片道50銭。
定期預金の中途解約については、例えばシティバンクが扱っている外貨定期預金は、満期前の解約はいっさい認められず、これは預金者が死亡した場合でも認められないケースがあるという非常に拘束性の強いものです。それ以外の銀行でも、外貨預金を満期前に解約すると、適用利率が普通預金並に引き下げられたり、銀行によってはペナルティとして一定率の手数料を差し引かれるケースもあるので注意が必要です。


外貨建てMMF
これは投資信託の一種で、国内の証券会社や銀行を通じて販売を行い、そこで集められた資金を海外の運用会社によって、海外の短期国債やCDなどを組み入れて運用するもので、満期がなくいつでも自由におろせ、むしろ外貨建ての普通預金に近い性格を持っています。
また外貨定期預金は現在の金利が満期まで変わらない固定金利であるのに対し、外貨建てMMFの分配率は運用実績に応じて変動する商品です。
つまり販売金融機関の店頭などに提示されているレートは、あくまでも過去の運用実績を表しているのであって、将来も確約されたものではないということです。
しかし基本的には外貨預金に比べ、為替コストも含めてトータルの収益性を比較すると、外貨建てMMFの方が有利なケースが多い様です。
さらに円建てのMMFは預けてから30日以内に解約すると、元本1万円につき10円のペナルティが取られますが、外貨建てMMFはいつでも解約自由で換金性に優れています。

一方「使う」という機能については、外貨建てMMFの解約代金を銀行の外貨預金口座に振り込むことも可能ですが、その際には一度につき2,000円から5,000円(銀行によって違う)の送金手数料が取られ、外貨預金に一歩譲らざるを得ません。

これからは、外貨建て商品を選ぶ際は、運用面のリスク・リターンの検討だけでなく、外貨での決済機能など使い勝手の吟味もより重要になってくるでしょう。

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